高校卒業記念にバングラデシュに行ってきた話

渡航記

どうも、とみすけです。

今年(2024年)2月から3月にかけてバングラデシュに行ってきました。様々な体験をしてきたのでブログにまとめたいと思います。

この記事は、FUN Advent Calendar 2024 の19日目の記事です。
https://adventar.org/calendars/10349

はい、41日遅れです。あまりにずるずる引き延ばしすぎて、記事の場所によって若干文体が異なる可能性があります。大変申し訳ない。文字数は約12500文字です。。。写真、動画がいっぱいあるので、読むのがだるい人は写真だけでも見て帰ってください。

一応、前日の記事は、こはぜさんの「p2hacksを終えて〜フラッシュ通信技術解説〜」です。
https://note.com/masakichi41/n/n97edcfcb6f50
私も別チームでこのハッカソンに出ていました。カメラのフラッシュで通信するとかいう謎なことをしています。

なぜ海外に行こうと思ったか

私は2023年度に高校3年生で受験生だったのですが、嬉しいことに11月頃に総合型選抜(旧AO)で大学に合格することができました。

また、高校も3学期は4回ほどしか登校する日がありませんので、4月の大学入学までの4ヶ月間、丸々自由に使うことができる時間ができたわけです。

せっかくなので何かしないとなと思い、大学入学に向けた予習復習、アルバイト等を考えましたが、その1つとして「海外に行きたい」と思ったわけです。

また、高校生のうちに行きたいなという気持ちもありました。

大学に入っても長期休みがあるので時間的制限は少ないですが、高校生のうちに行くことで今後別の機会に行くことがあったとしても、時の変化による自分の思ったことや感じたことなどの違いを比較することができると考えたからです。

バングラデシュにした理由

どこに行くか決めるに当たって以下の指標を満たす国を探しました。

  • 欧米圏以外
  • 価格が高すぎない
  • 定番じゃない
  • 治安が悪くない

まず欧米圏以外であること。私は前回の春休み(2023年3,4月)にカナダに行きました。欧米圏の中でも様々な国がありますが、せっかくなら全く別の地域に行ってみたいなと。

また、体力的な面に於いては欧米は融通が利きやすいと思います。せっかく若いのだから体力が必要そうな場所に行こうかなと思ったのも理由です。

次に価格が高すぎないこと。これは距離が遠すぎることと≒です。アフリカ、南米等は距離が遠く、航空券の価格が非常に高価です。そのため対象外になります。

そして定番ではないこと。今後大学生、社会人となったときも、時間とお金を作って海外に行きたい訳です。その時のために定番の場所(韓国、中国、タイなどの東南アジア圏)は残しておきます。

最後に治安。死んだり大けがをしてしまえば、とてもよろしくないので。

これらの条件をクリアした国の中で最も行きたいと思った場所、それがバングラデシュでした。

価格の面ですが、驚くことに直行便が出ており(2023年9月から)、アジア圏ともあって往復9万円ほどでチケットが取れます。

政情も比較的安定しており、発展途上国でありながらそこまで治安も悪くありません。外務省が出している危険レベルも0~4中大部分が1です。(カンボジア、インドなども1)

また、バングラデシュは超親日国で、日本も鉄道建設等の支援を積極的を行っています。

そして全くもって定番ではないですね。日本発のバングラデシュツアーを探してみましたが、1件も見つかりませんでした。

なんといってもバングラデシュ面白そう。人口密度世界一ですよ。行ってみたくなるでしょう。

バングラデシュってどんな国

バングラデシュはインドの東側に位置する国です。元々はパキスタン、バングラデシュ、インドが1つの国でしたが、色々あって3つの国になりました。(詳しくは調べてみてね)

国土の大きさは日本の半分以下ですが、人口は1億7000万人と日本より多く、世界一人口密度の高い国です。

アジア最貧国と呼ばれるほどの発展途上国で、人口の3割ほどが貧困層です。

今回の旅程

元々は1/31から2/8の9日間を予定していましたが、なんと渡航2日前にコロナにかかってしまうというアクシデントに見舞われ、やむなく旅程を変更。結果2/28(うるう年)から3/6の8日間になりました。

出発の時点で特に計画は立てず、とりあえずダッカに行って、余裕があればチッタゴンやコックスバザール等別の都市に行ってみようというマインドで出発しました。(結果的にダッカにずっといましたが)

直行便でバングラデシュの首都ダッカへ!

ビーマン・バングラデシュ航空の成田-ダッカ線です。

まず驚いたのが日本人の少なさ。ちらほらとは見かけますがほとんどバングラデシュ人と思われる人たちです。搭乗後もあちこちからベンガル語が聞こえてきますし、今まで乗った飛行機よりも騒がしめで、早々に異国感を味わうことができました。

機内食はごく普通でした。前情報ではスパイシーなものしか出てこないと聞いていたので、辛いのが苦手な私は心配でしたが、ぜんぜんそんなことなかったです。

機内エンターテインメントは映画の多くがベンガル語で、そこそこの量の英語、日本語の映画は2本だけでした。とくに見たいと思う物がなかったので、言語問わず楽しめるスポーツチャンネルの生中継をずっと見ていました。

ずっとヨットの中継。初めて見たが面白い

現地は曇りと思いきや、、、

出発から8時間、ダッカ上空に到達しますが中々街が見えてきません。分厚い雲の中にいるのかと思っていたのですが、雲と違って太陽だけはそれなりに明るく見えるんですよね。

やがて街が見えてきて分かりました。街が見えなかった原因。それが、、、

大気汚染

なんとこの日のダッカの天気は晴れ。上の写真、晴れの日のダッカ上空からの写真です。これはひどい、、、

到着!

無事ダッカのシャージャラル国際空港に着陸しました。

降りた時点でなんか知ってる空港とは全く違う雰囲気。

とんでもない場所に来てしまったのでは、、、という不安感に襲われます。

ただ、不安に反して、入国審査、両替、Simカードの購入等のタスクを何のトラブルもなく完了。無事ダッカへ足を踏み入れることができました。

大気汚染がひどすぎてもやがかかっているが、空港はしっかりしている

そして空港を出て少し歩いた場所の光景がこちら、、、(ぜひ音声付きでどうぞ)

これがもうすごい、、、、

語彙を失うレベルの衝撃的な光景でした。

まず車。うるさすぎる。そして秩序がない。

通常車道には車が列をなして走っていると思います。そして歩行者は歩道を歩くと思います。

ただ、ここには存在するはずの交通ルールがないんです。まず歩道と車線がない。なんとなく左側通行で、あとは好き勝手走ってます。歩行者もいろんな場所を歩いてたり、立ってたりします。全ての交差点には信号がなく、歩車が混在したスクランブル交差点状態でした。

また、空港の近くであるにもかかわらず外国人の姿が全くと言っていいほど見当たらず、現地人以外が歩いているのが珍しいのか、あちこちから視線を感じます。

今説明した内容以外でも、いろいろと常識が通用しない光景が広がっている中、とにかく蒸し暑くて、そして酷い大気汚染。辛い。

ホテルへ向かおう

いつまでも立ち尽くしていられないので、とにかくホテルを目指します。

まずは中心部に向かう電車に乗ることを目指しました。なんとかボディーランゲージを頼りに駅にたどり着きました。駅の様子がこちら。

すごいですねー。

やがて電車が来て、、、

乗ります、、、

走り出します

数十分して目的の駅に到着。

ここからホテルに向かうために「リキシャ」に乗ります。自転車で牽引するタイプの人力車です。現地でも「リキシャ」と呼ばれています。

あちこちに停まっているのでいつでも捕まえることができます。料金は交渉制。3kmくらいで100タカ(1タカ1.3円)でした。

これがリキシャね。

そうしてやっとの思いでホテルに着くことができました。泊まったのは「Hotel71」

それなりに奮発して1泊30ドルでした。

バングラデシュの物価からしたら中々のお値段ですが、日本の物価で考えればこのクオリティのホテルにカプセルホテルと同等の値段で泊まれます。

信じられない辛さの夕飯

外がやばすぎて2時間くらいホテルで虚無になっていましたが、お腹が空いてきたのでご飯を食べに出かけることにしました。

ふらふらと歩いているとよくわからん店のよくわからんおっちゃんが話しかけてきたのでそこで食べることにしました。

おっちゃんに連れられて店に入り、席に座ると、おっちゃんも目の前の席に座ってきました。どうやら一緒に食べる構え。いや、店員じゃないのかよ。

どうやらカレー屋さんのようだったので、辛いのがk苦手な私は念入りに一番辛くないカレーを出してくれるよう頼みました。(ちなみにメニューはないのでフィーリングで注文)

やがてやってきたのはチキンカレー。それなりに辛いのは仕方ない、と覚悟を決めていざ食べてみると、、、

死ぬほど辛い。

驚異的に辛い。日本のカレーの辛口など比ではない。悲鳴を上げる辛さでした。

慌ててグラスに注がれた水を飲みます。

すると目の前のおっちゃんが一言。「それは手を洗うための水だよ。」

終わった。初日にしてバングラデシュの水道水を飲んでしまいました。

それでも私は不屈の精神で激辛カレーを食べ続けます。食べてる間はおっちゃんが超絶訛りの強い英語でしゃべりかけてくれていましたが、何を言っていたかはあまり覚えていません。

店員さんは私のが辛がっていることに気づいてくれたのか、砂糖を持ってきてくれました。

が、ちがう、そうじゃない。

一番右のグラスが飲んでしまった水道水。よく見ると少し濁っている

価格は130タカ(1タカ1.3円)でした。安い。

店を出た後はおっちゃんに甘いチャイをごちそうになりました。(5タカ)

左がおっちゃん、右が途中でなぜかついてきた兄ちゃん

いざ街を散策!

翌日、水道水を飲んでしまいどうなることかと思いましたが、元気に目覚めることができました。ホテルでビュッフェ形式を頂き、いざ出発。

ちらほら辛い。あまり口に合うものはなかったが、左上のマンゴージュースだけはとても美味かった。

カオスな街を楽しみながら歩きます。

すると大きな交差点に達しました。向こう側に渡りたいのですが、なんと信号がありません。どうやって渡るのかと周囲の人を観察し、たどり着いた結論がこれでした。

ルールなどなく、隙間があるところを無理やり渡るということです。イメージとしては渋谷のスクランブル交差点。あれに車が参加している感じです。

車両どうしの軽い接触は至る所で起こっており、その回数はバスのボディーが物語っています。

そしてとにかく間近で鳴らさせるクラクションがすごくうるさいです。

いっけん危ないように見えますが、このカオスな交差点では全ての車両が減速せざるを得ないため、むしろ大きな事故が起こりにくい安全な交差点であるとも言えます。

この大迫力と熱気は国内では味わうことができないでしょう。()

日本の支援で作られた電車

交差点があんな感じなことからもわかるように、ダッカの交通量は最悪です。これを少しでも改善するために、日本の支援で高架の鉄道「ダッカメトロ」が作られているようです。

道路を邪魔しない高架駅

中は非常にきれい。2022年開業と、新しいです。

駅の雰囲気や改札がもろ日本です。

車体もホームドアも完全に日本のものですね。ホームドアから聞こえてくる音や、電車が停車する音なども日本の電車と同じで、不思議な感覚になりました。

利用者も非常に多い

車内も日本の電車と同じですね。

単色の背景、図形、文字のみで構成された案内表示。

駅のホームを散策していた時、おじさんに出身地を聞かれたため日本と答えたら、ダッカメトロの関係者かと聞かれました。ダッカって本当に観光客が少ないんですよね。空港以外で、自分以外の観光客を目にする機会がほとんどありませんでした。だから日本出身と言っただけで工事関係者と思われたのだと思います。

「ダッカメトロ」はまだまだ一部開業とのことで、今後も工事をしながら拡大していく予定だそうです。

ダッカ最大の市場、ニューマーケット

ニューマーケットと呼ばれる市場がすごいということだったので行ってみました。これは凄かったです。さすが世界一の人口密度を誇るだけあって、物の量がとんでもないです。あらゆる物が所狭しと陳列されています。

これが本当に楽しい。陳列を見てるだけでも楽しいですし、全体的に熱気があり、退屈しません。呼び込みが積極的で、特に僕みたいな観光客がいればひっきりなしに声がかかります。

あとぼったくりがないのも良いですね。観光客が少ないためか、ぼったくりや、がっつり観光客向けのビジネスが成り立たないのかもしれません。全部格安です。

ニューマーケットでの昼食。なんとかとても辛い(驚異的な辛さではない)くらいの食事にありつけました。

あとこの店、英語のメニューがあるんですよね。ダッカの町中では英語すらほとんど見ないので、もはや英語に安心感を覚えます。食事を進めると辛さが蓄積してくるため、マンゴージュースを頼みました。

マンゴージュース?

なんか緑のマンゴージュース(?)が出てきました。そういう品種があるのでしょうか。飲んでみると、、、

絶望的にまずい。

申し訳ないですが本当に口に合わない。甘みがないんですよね。味は、、、すいかの皮と野草をミキサーにかけて塩をぶち込んだイメージです。それぞれの国で食文化は違いますが、バングラデシュと日本では、あまりにもかけ離れすぎているのかもしれません。

ご飯を食べた後もニューマーケットを散策。やはりバングラデシュ。服屋がひしめき合っています。服を売っているだけでなく、その隣で服を作っています。主にミシンで縫ったり、刺繍をしたりといった感じですが、本当に凄い。見ていて飽きませんでした。

服屋を見て回った結果、パンジャビと呼ばれる民族衣装(?)を購入。

価格は上下セットで2000タカ(2600円)と、バングラデシュの物価を考えるとなかなかの価格。しかし生地はしっかりしていますし、袖の刺繍が本格的で素晴らしい。これで2000タカなら大満足です。

一見年中暑いバングラデシュに合わない服装に見えますが、全体的にゆとりがあり風通しが良く、ズボンはとても薄い生地なので案外涼しいです。また、全身日光をガードできる利点があり、合理的な服装だと思いました。

パンジャビ以外にも衣類を格安で購入。Tシャツ200タカ、ジーンズ800タカ、靴下30タカなど。安い!(もっと買っておけばよかった、、、)

もう一度バングラデシュの鉄道(オールドタイプ)に乗車

空港からホテルに向かうときに乗った鉄道をもう一度見たくなり、再び乗ってみることに。追加で両替をするために、空港に戻ることにしました。まずはチケットを購入(50タカ)。時刻表を見てみますが、、、

、、、読めん。しかも英語なし。数字がアラビア数字でなくベンガル数字のため、行き先はおろか発車時間すらありません。その場にいた英語が話せる人に聞いたら、その時刻表は機能していないと言われました。この駅の電車は1方向にしか向かわないから、停車している電車に乗れば間違いないし、いつか動き出すとのこと。なんなんだよ、、、

どうせ暇なので、駅ナカを散策してみることに。やはり当たり前のように線路に進入する人がたくさんいます。せっかくなので僕も進入してみることにしました。

線路には絶対入っちゃだめ!という価値観が根付いているので、渡ってる間なんとなくヤバいよ感が、、、、怖くてサササーっと渡ってしまいました。でもちょっと楽しかった。

ホームに停まってた電車に乗って20分ほどすると、何の前触れもなく突然列車が動き出しました。まじで適当すぎる、、、

お昼時とあって、座ることができるほど空いていました。窓際で景色を見ていましたが、マジで生活空間ギリギリを走っていきます。中々の迫力。

1時間ほど乗車して空港前に到着。空港に入るゲート前はこんな感じ。譲り合わないの精神が根付いています。

何とか空港建物の前までたどり着き、両替をしようと中に入ろうとしたのですが、、、

立ち入り拒否されました。当日の航空券がないと空港内には入れないらしい、、、

仕方がないので周辺を散策した後帰ることに。帰りの電車もいつ来るか分からないため、Uberでバイクを呼ぶことにしました。それなりに長距離でしたが、確か200タカくらいだったかなぁ。

外国人街的な場所、グルシャンを散策

ダッカには日本人街といえるものはありませんが、駐在員などの外国人が多く集まっている、グルシャンと呼ばれるエリアがあります。

ホテルからバイクでグルシャンに向かうこと30分ほど、ダッカではこれまでに見たことがないほど整備された道が目に付くようになってきます。

そしてグルシャン中心部に入ると、これまでのダッカとは雰囲気の違う、”都会味”を感じるように。

そしてなんと、、、

信号がある!!(動いてはいない)

ダッカで初めて信号を見ました。横断歩道のしましまも確認できます。だがしかし動いてはいない様子。

そうしてグルシャンに到着。目的もなく歩いていると、、、

ダッカで初めて日本語を発見!

もはやアルファベットにすら安心感を覚えるレベルだったので、感激して写真を撮りました。

それはそうと、グルシャンに来た一番の目的は、、、

_人人人人人人人人人_
> BURGER KING <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄

バングラデシュは外資系の飲食店(というか店)が本当に少なく、ダッカを散策して、知っている飲食店を発見したことは1回もありません。

調べてみたところ、バングラデシュにある主要な外資系飲食店は、KFC13店舗、BURGER KING1店舗、ドミノピザ1店舗くらい。マックはありません!

つまりこのBURGER KINGは、バングラデシュ国内唯一の外資系ハンバーガーチェーンと思われます。結局バングラデシュに居る間に4回くらい行きました。

価格はクリーミーチーズバーガーのセットが500タカと、日本のバーガーキングと同価格帯。バングラデシュだとかなりの高級店です。

バーガーキングで食事をした後町を散策していると、レストランの宣伝をしている馬車に出会いました。興味津々で見ていると、なんと馬車に乗せてくれました。

バングラデシュで、知らんレストランのチラシを配る日本人

せっかく乗せてもらったので、チラシを配るのを手伝いました。

こちらからすれば馬車が珍しいですが、あちらからすれば日本人が珍しいので、完全に客寄せパンダになっておりました。

馬車がレストランに戻ると、お礼にレストランのご飯をごちそうしてくださることに。何でも好きな物を!と言ってくれたので、メニューを見ると、、、

いやクソ高い。。。今まで見てきた地元の飲食店と比較すると、桁が1つ違います。バーガーキング食べなきゃ良かった。お腹がいっぱいなのと、流石に申し訳ないのとで、デザートを頂くことにしました。

ブルーベリーチーズケーキ(450タカ)をごちそうに。

美味すぎる。

圧倒的異世界感のショトルガット

恐らくダッカ最大の見どころ、船着き場のショトルガットに行ってきました。

遠方の町へ向かう船から、オールで漕ぐタイプの小さなボートまで、大小様々な船がひしめき合っています。周囲には様々な店があるほか、造船なども行っているようです。

おっちゃんがショトルガットを案内してくれることに

ショトルガットを散策していると、とつぜん陽気なおっちゃんが話しかけてきました。この辺りは複雑だから、俺が案内してやるとのこと。いぶかしげにしていると、腰につけた何かを得意げに見せてくれました。

よく分かりませんが、なんかいい人そうだし、周りに人も多いし大丈夫だろうということで、案内して貰うことにしました。
今調べたら警察組織のテロ対策部隊のようでした。なぜ案内してくれたのかは分からんが、、、https://en.wikipedia.org/wiki/Rapid_Action_Battalion

ボートで対岸まで渡る

おっちゃんにボートで対岸まで渡りたいと伝えると、俺のボートがあるぜ!みたいなことを言って連れて行ってくれました。

そして対岸へ向けて出発。

乗り心地は普通のボート。しかし、とても川が臭い。よく見ると、相当濁っています。落ちたら悲惨だなあと思いながら乗っていました。

対岸の造船エリア

無事に川を渡った後、おっちゃんが造船エリアに案内してくれました。

おっちゃんが修理中の船の上に連れて行ってくれた
プロペラを作っている
ガチ鍛冶

人力で金属を流し込んでプロペラを作ったり、スプレーで地道にエンジンを塗装したりなど、かなり原始的な方法で造船が行われている様子でした。

機械の少なさや、全てを人力で行っていることなどから、本当に中世風ゲームの異世界感を感じました。

人情を感じる生活空間

造船所の奥にある生活空間に案内してくれることに。おっちゃんはこのへんに住んでいるようで、いろんなところに連れて行ってくれました。

快く写真に写ってくれた肉屋さん
あれだ、ルドーだ
テレビを見る場所
5タカ(7円)のわたあめ
なぜか小学校に招待され、大歓迎を受ける

ここに住んでいる人たちはバングラデシュのなかでも所得が低い傾向にある人たちのようでしたが、本当にみんな楽しそうに生活していました。前を向いて生きていこうという気持ちになりましたね。

線路を歩く

バングラデシュでは線路も生活空間です。平然と線路上を歩きます。当然ですが、廃線というわけでもなく、30分に1本程度の頻度で電車が通過します。

もはや商店街

線路沿いには様々な店が建ち並んでおり、とても楽しいです。

日本人なので周囲に合わせて線路に座る。

バリバリ使われている線路と生活空間が同居しているのが衝撃的で、3時間くらい線路の周りを散策していました。そろそろ帰ろうかと思ったときに電車が来たので、ぼーっと見てみると、、、

あれだ!電車の上に人が乗ってるやつだ!

流石に屋根にのるやつはなくなった、もしくは一部の例外的な時にしか見られないものだと思っていましたが、平然と屋根に乗っている人がたくさんいましたね、、、

これを見れただけで、個人的には世界遺産1つ見た以上の満足度があります。(本当に危ないのでとても心配ではある)

南アジア最大のショッピングモール(らしい)へ

バングラデシュ最終日、ホテルをチェックアウトした後、空港に向かいますが、出発まで時間があるため、その道中で南アジア最大、と唄われているショッピングモールに行くことにしました。

ショッピングモールの入り口には保安検査場があり、手荷物検査と金属探知機をくぐる必要がある洋でしたが、僕の場合、外国人だからなのか顔パスでした。

中に入ると、、、

これはすごい!
資本を感じます。

美味しい夕食を食べたり(辛い)

ダッカ市街ではほとんど見なかった外国資本の商品を見たり

など、日本のショッピングモールと同じように楽しみました。

が、ショッピングモールの奥に向かうと、、、

誰もいない、、、

どうやら、全然テナントが埋まっていないようで、こんな感じのエリアがたくさんありました。
封鎖されているエリアもあり、体感では3-4割以上空きテナントだったんじゃないかなぁ

客層としては身なりがしっかりとした比較的裕福そうな人ばかりでした。恐らく、身なりの整っていない人は入り口で弾いているのではないでしょうか。

ショッピングモールの外の雰囲気を見て悲しくなる

ショッピングモールの外に出ると、ショッピングモールの中とは打って変わって物乞いや、ホームレスらしき人が多数いました。実際、12歳くらいの子供に物乞いされたり、病院の診断書らしきものを見せながら金銭的支援を求められたりしました。

ショッピングモールに入って買い物を楽しむ富裕層の人たちと、ショッピングモールの外で富裕層に物乞いをする貧困層という、あまりに格差が如実に現れている光景を見て、とても辛い気持ちになりました。

帰国!

ショッピングモールからバイクで直接空港に向かいます。

もっと長く居たい気持ちがある一方、大気汚染が酷すぎて呼吸器系がやられはじめていたので、丁度良いタイミングだったと思います。

飛行機に乗るまでの手順が普通じゃない

空港って、チェックイン→荷物預ける→保安検査→出国審査→搭乗 の流れが普通だと思います。

ただ、バングラデシュの場合、空港に入る時点でまず関門があります。当日の搭乗券を持っていることを確認される上、手荷物検査を行わないと入場できません。

空港に入った後、カウンターでチェックイン、荷物を預けた後、出国審査が行われます。通常行われるはずの保安検査がなく、出発ロビーで待機することになります。

空港入り口での検査が保安検査に当たるのかな?と解釈し、お土産を探すことにしました。

お土産を買おうと思いましたが、お土産屋さんが空港内のどこにも見当たりません。というか、ショッピングモールでもお土産屋さんが見つからなかったんですよね。そもそも観光業の規模が小さいですから仕方ない。

一応売店にお土産らしきものがありましたが、なんか微妙。代わりにバングラデシュで飲んだ中で一番美味しかった飲み物を見つけたので、それをいっぱい買いました(1.5L*3)。

このマンゴージュースの1.5Lを3本買った。これが美味いんだな

え、そこで保安検査すんの?

搭乗が始まる時間になったため、搭乗口に向かいます。すると、そこには超長蛇の列が。しかも流れが遅い。なんでこんなに並んでいるんだと思い、先頭に向かったら、なんと保安検査をしているではありませんか。どうやら、搭乗口で保安検査をして、そのまま搭乗する流れのようです。

ようやく自分の番が来ると、無慈悲にも先ほど購入したばかりのマンゴージュース(1.5L*3)が取り除かかれるではありませんか。えぇぇ…

このシステムだと、出発ロビーで購入した液体はその場で全て消費しないといけないことになりますけど、そういうことなんですかね? お酒とか、売ってましたけど。謎です。

実は通学でもある

0:10(BDT)発のフライトですが、実はその日は、1ヶ月ぶりの高校の登校日。午後から卒業式の予行練習があります。成田空港着が9:30(JST)で、どうも帰宅してから登校しては間に合わないようなのです。つまり、ダッカのシャージャラル国際空港から、直接高校へ行くことになるわけで、これはバングラデシュからの通学と言えます。

ビーマンバングラデシュ航空はいいぞ

帰りの便で隣の席になったバングラデシュ人が日本語を話せる人で、飛行中はバングラデシュや日本の話で盛り上がっていました。

飛行中、CAさんにオレンジジュースを頼んだら、なんか丸々1本未開封のオレンジジュースをくれました。多分余っていたんでしょうけど、こんなサービス嬉しすぎる。全体的にとてもフレンドリーで、思い出に残るフライトでした。

成田から直接高校へ

成田に戻ってきて、高校に向かうと、一気に現実に戻ってきた感覚を覚えました。数時間前まであのカオスに居たはずなのに、今はいつもの日本の高校にいます。高校に着いたのも結構ぎりぎりの時間で、友人にバングラデシュでの体験を話す間もなく、事前に高校に置いておいた制服に着替え、卒業式の予行演習に参加しました。

残念ながら、格差が大きい

全体として、とても楽しい旅でしたが、バングラデシュで見ることができた格差についても書いておきます。

まず、ホームレス、物乞いは多いです。グルシャンエリアを除けば、路上で生活している人たちは頻繁に見かけます。ホームレスの中にも、ビニールシートなどを使って雨風をしのげるようにしながら共同生活をしている人たちもいれば、シートと毛布だけで、1人で生活している人もいます。

1人で生活しているホームレスは、そのほとんどが病気や障害を持っている人と思われます。四肢のいずれかが欠損していたり、奇形だったりします。一般的な人間の形をしておらず、近くに来て初めて人間と認識できるくらいの人もいます。そして、そういう人の数が明らかに多いです。

働いている人の中にも、何かしらの病気を抱えている人は多く存在します。
駅からホテルまで移動するときに乗ったリキシャの運転手は、異常に足が細く、見た目から病気を持っていることが明白でした。しかしながら彼は、リキシャを足で漕いで人を運ぶ仕事をしています。

このような光景を見ると、とても辛く、もどかしい気持ちになります。

推測ですが、これらの光景を見るに福祉が機能しておらず、どのような状況であれ働かなければ金銭が得られない状況なのではないでしょうか。

一方、富裕層や中間層が、自分より低所得の層を排除するような動きは見ませんでした。全体的に困っている人を助ける文化というか、人情というか、言語化しがたい人と人との繋がりと、暖かさを感じました。

また、物乞いも多かったですが、しつこく求められることはなく、一度断るとすぐに止めてくれました。姿勢としても低く、申し訳なさそうにお願いされることが多かったです。

まとめ

好奇心に駆られるままにバングラデシュに行きましたが、特に危険な目に遭うこともなく、楽しく旅行を終える事ができました。

日本(というか先進国?)にはない全く違った雰囲気や体験を得られたことが非常に大きかったと思います。ありきたりなことしか言えませんが、自分の見えている世界があくまで一部でしかないことを身をもって体感することができました。

様々な苦労がありましたが、私はバングラデシュのおおらかな雰囲気が大好きです。ぜひまた行ってみたいです。

明日はuiroさんの「おうちを増やして仮想化した話」です。(何が明日なんだろうか)
https://uiro.dev/pages/homedc

P.S. バングラデシュでの政変について

2024年7月以降、バングラデシュで学生を中心とした反政府運動が活発化し、最終的に首相が辞任、政権が崩壊するという出来事が起こりました。日本の外務省は一連の出来事を受けて、バングラデシュの危険レベルを、全域で1(十分注意)から2(不要不急の渡航中止)へと引き上げました。
参考:https://www.bbc.com/japanese/articles/c5yddd9755eo

私が平和に1週間滞在した場所で、政権崩壊が起こったことにとても驚くと同時に、現地で交流した多くの人たちのことが心配になりました。
私が現地でインスタを交換した大学生の1人もデモに参加し、重傷を負ったようです。

幸い今は暫定政権が樹立され、2025年1月現在では従来と同じ危険レベル1に引き下がっています。
インスタを交換したバングラデシュ人数人も、今は平和になったのでまた来てよ!と言ってくれています。

今後、バングラデシュが平和に、豊かに発展することを願います。

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